緑内障はどうやって見つかるの?

緑内障

4  《 緑内障シリーズ 第4回 》

「緑内障かもしれないと言われたけど、どんな検査をするの?」

初めて眼科を受診すると、いくつもの検査があり、不安になる方も多いのではないでしょうか。

実は、緑内障は1つの検査だけで診断する病気ではありません。

眼圧だけでなく、視神経や視野の状態などを総合的に確認して診断します。

今回は、緑内障を見つけるために行われる主な検査について、わかりやすくご紹介します。

緑内障は総合的に診断する病気

「眼圧が正常だから安心」

「視力が良いから大丈夫」

実は、それだけでは判断できません。

緑内障では、

  • 視神経の状態
  • 視野の変化
  • 眼圧
  • OCT検査の結果

などを総合的に確認し、個人に合わせて診断や治療方針を決めていきます。

① 眼圧検査

眼圧検査では、目の圧力を測定します。

眼圧が高い方はもちろん、正常範囲でも緑内障になることがあるため、眼圧だけで判断することはできません。

しかし、治療経過を見るうえではとても大切な検査です。

眼圧検査には1、非接触型眼圧計 2、接触型眼圧計 の方法があります。

1 非接触型眼圧計...健診や眼科で最もよく使われる検査目に少量の空気が「プシュッ」と吹き付けられ、角膜のへこむ度合いから眼圧を測ります。

2 接触型眼圧計...より正確な眼圧を測る必要がある場合や緑内障の精密検査で行われます。

※ソフトコンタクトレンズは検査前には外す必要があります。

② 眼底検査

眼底検査では、視神経の状態を詳しく観察します。

緑内障では、視神経が少しずつ傷ついていくため、その変化を確認する重要な検査です。

眼底とは、目の一番奥にある部分のことです。

ここには、

  • 視神経
  • 網膜
  • 血管

などがあり、ものを見るために大切な組織が集まっています。

眼底検査では、これらの状態を詳しく観察します。

緑内障で眼底検査が必要な理由

緑内障になると、視神経が少しずつ傷つき、**視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)**という部分の形が変化していきます。

眼底検査では、

  • 視神経に異常がないか
  • 緑内障が疑われる変化があるか
  • 病気が進行していないか

を確認します。

定期的に検査を受けることで、前回との変化を比較し、病気の進行を確認することができます。

検査はどのように行うの?

眼底検査では、顕微鏡のような機械を使って目の奥を観察します。

場合によっては、**瞳を広げる目薬(散瞳薬)**を使用することがあります。

検査自体は数分で終わり、痛みはほとんどありません。

散瞳検査を受けるときの注意点

散瞳薬を使用した場合は、

  • 数時間まぶしく感じる
  • 手元が見えにくくなる
  • 車やバイク、自転車の運転は控える

といった注意が必要です。

来院時は、できるだけ公共交通機関やご家族の送迎を利用すると安心です。

視神経のへこみ(陥凹)の拡大や出血がないかを調べることで緑内障の早期発見や進行度を診断します。

視神経乳頭陥凹の確認:緑内障が進行すると、目と脳をつなぐ視神経の束がダメージを受け、根元にある「視神経乳頭」と呼ばれる部分のへこみが大きくなります。この形状を眼底カメラや医師の目視で確認します。

③ 視野検査

視野検査では、見える範囲に欠けている部分がないかを調べます。

緑内障では視野が少しずつ狭くなるため、進行具合を確認するうえで欠かせない検査です。

「視野検査を受けましょう」と言われても、「何をする検査なの?」「ちゃんとできるかな?」と不安に感じる方もいるでしょう。

視野検査は、目で見えている範囲(視野)が狭くなっていないかを調べる検査です。

緑内障では視神経が少しずつ傷つくことで、見える範囲が少しずつ欠けていきます。しかし、初期は片方の目がもう一方を補うため、自分では気付きにくいことがほとんどです。

そのため、視野検査は緑内障の診断や進行を確認するために欠かせない検査です。

視野検査でわかること

視野検査では、次のようなことを確認します。

  • 見える範囲が狭くなっていないか
  • 見えない部分(視野欠損)がないか
  • 緑内障が進行していないか

前回の検査結果と比較することで、病気が進行しているかどうかも確認できます。

視野検査はどのように行うの?

検査では、機械の前に座り、片目ずつ行います。

あごとおでこを台にのせ、中央の光を見つめたまま、周りに小さな光が見えたら手元のボタンを押します。

片眼ずつ行うため、検査時間は10~15分程度かかります。

検査を受けるときのポイント

視野検査は「見えたかな?」と迷うことがありますが、見えたときだけボタンを押せば大丈夫です。

無理に探そうとすると、正しい結果が出にくくなることがあります。

また、途中で疲れたり、まばたきをしたくなったりした場合は、無理をせず検査スタッフに伝えましょう。

視野検査は痛い?

視野検査は目に触れることはありません。

注射や麻酔も必要なく、痛みのない検査です。

④ OCT検査

OCT(光干渉断層計)は、視神経や網膜の厚さを詳しく調べる検査です。

「目の断面を写真のように映し出し、目の神経の厚さを詳しく調べる検査」

です。

通常の眼底写真ではわからないような小さな変化も確認できるため、緑内障の診断には欠かせない検査の一つです。

なぜOCT検査が必要なの?

緑内障は、視神経が少しずつ傷ついていく病気です。

しかし、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。

OCT検査では、視神経が薄くなっていないかを詳しく調べることができます。

症状が出る前の変化を見つけられることもあるため、早期発見につながります。

OCT検査でわかること

OCT検査では、次のようなことを確認します。

  • 視神経の厚さ
  • 網膜の状態
  • 緑内障による神経の傷み
  • 病気が進行していないか

前回の検査結果と比較することで、緑内障が進行しているかどうかも確認できます。

検査の流れ

OCT検査はとても簡単です。

  1. 機械の前に座ります。
  2. あごとおでこを台にのせます。
  3. 機械の中の光を数秒見つめます。
  4. 撮影が終われば検査終了です。

検査時間は片眼数秒から1分程度で、両眼でも数分で終わります。

痛みはある?

OCT検査は目に触れません。

注射や麻酔も必要なく、痛みもありません。

レントゲンのような放射線も使用しないため、体への負担が少ない検査です。

OCT検査だけで緑内障はわかる?

OCT検査はとても重要な検査ですが、それだけで診断するわけではありません。

肉眼ではわかりにくい変化も確認できるため、現在では緑内障の診断や経過観察に広く活用されています。

検査は一度だけでは終わらないこともあります。

緑内障はゆっくり進行する病気です。

そのため、一度の検査だけではなく、定期的に検査を受けて変化を比較することが大切です。

前回と比べて変化があるかどうかを見ることで、治療方針を決めていきます。

⑤隅角検査

隅角検査とは?目の「水の出口」を調べる大切な検査

眼科で「隅角検査をしますね」と言われても、「何を調べる検査なの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

隅角検査(ぐうかくけんさ)は、目の中の「水の出口」がきちんと開いているかを調べる検査です。

目の中では「房水(ぼうすい)」という透明な液体が作られ、栄養を運んだあと、「隅角(ぐうかく)」という出口から外へ流れています。

この出口が狭くなったり、ふさがったりすると、房水がうまく流れなくなり、眼圧(目の圧力)が上がることがあります。その結果、緑内障の原因になったり、急性緑内障発作を起こしたりする可能性があります。

そのため、隅角検査では次のようなことを確認します。

  • 水の出口が十分に開いているか
  • 出口が狭くなっていないか
  • 出口がふさがっていないか

隅角検査はどのように行うの?

検査では、まず麻酔の目薬を点眼します。その後、専用のレンズを目に軽く当て、顕微鏡を使って隅角を観察します。

検査時間は数分程度で、痛みはほとんどありません。

この検査が必要な人

隅角検査は、次のような方によく行われます。

  • 緑内障が疑われている方
  • 眼圧が高いと言われた方
  • 「隅角が狭い」と指摘された方
  • 急性緑内障発作の危険性を調べたい方

眼科ナースとして伝えたいこと

「検査がたくさんあって大変…」

そう感じる患者さんも少なくありません。

ですが、それぞれの検査には大切な役割があります。

緑内障は早く見つけて治療を始めることで、進行を抑えられる可能性が高くなります。

緑内障は、一度失われた視野を元に戻すことが難しい病気です。

だからこそ大切なのは、「見えにくくなってから」ではなく、症状がなくても定期的に検査を受けることです。

眼圧検査やOCT検査、視野検査、隅角検査など、一つひとつの検査には大切な役割があります。これらの検査を組み合わせることで、緑内障を早期に発見し、進行をできるだけ防ぐことにつながります。

私は20年以上、眼科ナースとして多くの患者さんと関わってきました。

その中で感じるのは、「もっと早く検査を受けていれば…」という声はあっても、「早く検査を受けて後悔した」という声はほとんどないということです。

このブログでは、皆さんが安心して検査や治療を受けられるように、専門的な内容もできるだけわかりやすくお伝えしていきます。

まとめ

  • 緑内障は1つの検査だけでは診断できません。
  • 眼圧・眼底・視野・OCTなどを組み合わせて診断します。
  • 定期的な検査で進行の有無を確認することが大切です。
  • 症状がなくても検査を受けることが早期発見につながります。

次回予告

第5回「緑内障の治療って何をするの?」

緑内障と診断されたら、どんな治療が始まるのでしょうか?

目薬・レーザー治療・手術など、それぞれの治療方法や目的について、わかりやすく解説します。

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