1 《 緑内障シリーズ 第1回 》
緑内障になると失明する!!
そんな話を聞いたことはありませんか?
健康診断や眼科で「緑内障の疑いがあります」と言われ、不安になってこのページを読んでいる方もいるかもしれません。
「もう見えなくなってしまうの?」
「手術しないといけないの?」
「仕事や運転は続けられるの?」
こうした不安を抱くのは、とても自然なことです。
結論からお伝えすると、
緑内障があるからといって、すぐに失明するわけではありません。
現在では、早く見つけて適切な治療を続けることで、見え方を長く保ちながら生活していくことができる場合が多いです。
この記事では、緑内障と失明の関係について、できるだけわかりやすくお話しします。
緑内障とはどんな病気?
緑内障は、目から脳へ映像を伝える「視神経」が少しづつ痛んでいく病気です。
視神経は、カメラでいう「ケーブル」のような役割があります。
どんなに目に光が入っても、その情報を脳へ届ける視神経が傷んでしまうと、うまく情報が脳に届けられません。結果、見える範囲(視野)が少しずつ狭くなってしまう。とういう状態になってしまうのです。
この変化は、多くの場合とてもゆっくり進みます。
そのため、自分ではほとんど気付くことが難しい病気として知られています。
失明とはどういう状態?
「失明」という言葉だけを聞くと、
「真っ暗になって何も見えなくなる」
というイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし、実際には失明にもさまざまな状態があります。
緑内障では、
- 周囲が見えにくくなる
- 見えていない部分を脳が補ってしまう
- 気付かないまま進行してしまう
という特徴があります。
症状の進み方には個人差があり、進行速度も人によって異なります。
緑内障になると必ず失明する?
答えは
必ずではありません!!
現在は、検査技術や治療法が進歩しています。
早い段階で緑内障が見つかり、治療を継続できれば、見える範囲を守りながら日常生活を長く過ごしている方もたくさんいます。
一方で、
- 気付くのが遅かった
- 放置してしまった
- 点眼を自己判断でやめてしまった
- 定期受診が途切れてしまった
などの場合には、病気が進行してしまうことがあります。
緑内障で一番大切なのは、
「早く見つけて、治療を続けること」
なのです。
一度傷んだ視神経は元に戻る?
現在の医療では、
傷んでしまった視神経を元通りに戻す治療は難しいとされています。
そのため、治療の目的は
「治すこと」
ではなく、
これ以上悪くならないように進行をできるだけゆっくりにすること
になります。
これを知ると、
「もっと早く受診すればよかった」
と思われる方もいます。
だからこそ、症状がなくても定期的な検査が大切なのです。
緑内障の初期は自分では気付きにくい!!
緑内障が怖いと言われる理由は、
初期にはほとんど症状がないことです。
人は両目で見ているため、片方の目の見え方が少し悪くなっても、もう片方の目が自然に補ってしまいます。
また、脳も見えない部分を補う働きをするため、自分では異常に気付きにくいのです。
「普通に見えていると思っていた。」
そう話される患者さんを、私はこれまでたくさん見てきました。
緑内障は日本でとても多い病気
緑内障は決して珍しい病気ではありません。
特に40歳を過ぎると増えてくると言われています。
40歳以上の20人に1人! 60代では10人1人 と言われています。
緑内障はとても身近な病気です。
また、年齢とともに発症する方も多く、自覚症状がないまま進行しているケースも少なくありません。
だからこそ、
「見えているから大丈夫」
ではなく、
「見えている今だから検査を受ける」
という考え方がとても大切です。
治療はどんなことをするの?
緑内障と診断された場合、多くは点眼治療から始まります。
目薬によって眼圧を下げ、視神経への負担を減らすことが目的です。
目薬には種類があります。まずは1種類から始まることがほとんどですが、状態によっては
作用が違う目薬を組み合わせて眼圧を下げていく方法もあります。
どちらにしても、定期検査を受けていく中で決めていくことが多いです。
現在の眼圧、現在の視野の状況、視神経の状態などをふまえて緑内障の進行度合いを判断して治療方針を決めていきます。
病状によっては、
- レーザー治療
- 手術
が検討されることもあります。
ただし、すべての方が手術になるわけではありません。
病状や進行の程度に合わせて、一人ひとり治療方法が選ばれます。
不安になりすぎなくても大丈夫
「緑内障」と聞くと、とても怖い病気のように感じるかもしれません。
しかし、必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは、
- 定期検査を受けること
- 医師の指示どおりに点眼を続けること
- 自己判断で治療をやめないこと
この積み重ねが、将来の見え方を守ることにつながります。
まとめ
緑内障は、放置すると視野が少しずつ狭くなっていく病気です。
しかし、
「緑内障=すぐに失明する病気」ではありません。
早期発見と適切な治療によって、見え方を保ちながら生活している方はたくさんいます。
目は一生付き合っていく大切なもの。
気になる症状がある方はもちろん、症状がなくても40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受けてみることをおすすめします。見えることは当たり前ではありません。
あなた自身の”見える”は、守ることができます。守るための一歩として症状や不安は放置せずに、眼科で相談してみましょう!!
次回予告
「見えているから大丈夫」と思っていませんか?
実は緑内障は、自覚症状がほとんどないまま進行することが多い病気です。
次回は「緑内障は気付きにくい理由」について、わかりやすく解説します。
眼科ナースしーさんたから
20年以上、眼科で、多くの患者さんと関わる中で感じるのは、
「もっと早く知っていれば…」という声の多さです。
見えて当たり前ではありません。見えるは、年齢とともに変化します。
多くの人が症状がない場合、なかなか眼科で健診を受けることはありません。
毎日の生活は、朝起きて見ることから始まります。
今日の見え方は、いつもと違う?
そんな風に感じることがあれば、それは、見え方の変化かもしれません。
もちろん見え方は、日によっても違いますし、その日の体調や睡眠不足、ストレスの影響も受けやすいと言われています。
日々の生活を快適に過ごすために...
毎日の自分の見え方にまずは向き合って欲しい。と私は思います。
このブログでは、病気の知識だけでなく、検査や治療への不安を少しでも減らせるよう。
えっ!!そうなんだ!と気づいていただける内容。
そしてなにより、あなたの”見える”に寄り添うことができるような発信になれたら嬉しいです。
現役の【眼科ナースしーさんた】としてわかりやすくお伝えしていきます。
一緒に目の健康について学んでいきましょう!!
