9 白内障の手術後によくある見え方の変化

白内障

9  《 白内障シリーズ  第9回 》

白内障手術後によくある見え方の変化

「手術は終わったけど、なんだか見え方が違う…」

白内障手術が終わったあと、

「すごく明るくなった!」

「こんなに白く見えるんですね!」

と喜ばれる方がいる一方で、

「思っていたよりまぶしい…」

「なんだか青っぽく見える気がする」

「黒いものが飛んで見えるようになった」

など、今までとの見え方の違いに戸惑う方もいます。

手術をしたばかりだと、

「これって大丈夫?」
「もしかして手術がうまくいかなかったの?」

と心配になりますよね。

今回は、白内障手術後に感じることがある「見え方の変化」について、わかりやすく解説します。

※手術後の見え方や回復の経過には個人差があります。気になる症状がある場合は、手術を受けた医療機関へ確認してください。

① 「明るすぎる」「まぶしい」と感じることがある

白内障になると、目の中の水晶体が少しずつ濁っていきます。

その濁りを取り除いて新しい眼内レンズが入ると、手術前より光が目に入りやすくなります。

そのため手術後、

「世界が明るすぎる!」

と感じる方もいます。

特に、

  • 太陽の光
  • 白い壁
  • テレビ
  • スマホの画面

などを、以前よりまぶしく感じることがあります。

手術前の見え方に長く慣れていたため、新しい見え方に違和感を覚えることもあります。

② 「白が白い!」色が違って見えることも

手術後に、

「こんなに白かったんですね」

と驚かれる患者さんも多くいます。

白内障が進むと、ものの色が少し黄色っぽく感じられることがあります。

でも、その変化はゆっくり進むため、自分では気づいていないことも少なくありません。

手術後に濁りがなくなることで、

「白がより白く見える」
「全体的に青っぽく感じる」

など、色の見え方が変わったように感じることがあります。

③ 片目だけ手術すると左右差を感じることも

片方の目だけ先に手術をした場合、

「右目と左目で色が違って見える」

と感じることがあります。

例えば、

手術をした目
→ 明るく、白っぽく見える

まだ手術をしていない目
→ 少し黄色っぽく、暗く感じる

という違いを感じる方もいます。

今まで両目で見ていたときには気づかなかった白内障の影響を、片目ずつ比べることで初めて実感することもあります。

④ 黒いものが飛んで見える?「飛蚊症」に気づくことも

手術後に、

「黒い点が見えるようになった」

「糸くずみたいなものが飛んでいる」

と相談されることがあります。

これは**飛蚊症(ひぶんしょう)**と呼ばれる症状の場合があります。

白内障手術によって必ず飛蚊症が起こるということではありません。

もともと飛蚊症があっても、白内障による濁りで気づきにくかったものが、手術後に視界が明るくクリアになったことで目立つように感じることもあります。

ただし、急に黒いものが増えた、光が走るように見える、視野の一部が見えにくいなどの変化がある場合は、早めに手術を受けた医療機関へ連絡してください。

また、手術前には気がつかなかった病気が発見されることも稀にあります。これは、今まで白内障の濁りにより病気がで発見しづらい状態であった可能性があります。白内障がすすむほどそうしたリスクは高まります。

⑤ 「思ったより見えない」と感じることもある

白内障手術をすれば、

「すべてが完璧に見えるようになる」

と思っている方もいるかもしれません。

でも、見え方には個人差があります。

白内障以外に目の病気があったり、選んだ眼内レンズのピントが合う距離によっては、メガネが必要になることもあります。

また、手術直後から最終的な見え方になるとは限りません。

目の状態が落ち着くまで、見え方が変化する場合もあります。

だからこそ、

「手術したのに見えない=手術が失敗した」

とは限りません。

気になる見え方があるときは、どんなときに、どのように見えにくいのかを伝えてみてください。

「いつもと違う」が強いときは我慢しないで

手術後には、さまざまな見え方の変化を感じることがあります。

その中には、時間とともに慣れていくものもあります。

ただし、

  • 急に見えにくくなった
  • 強い痛みがある
  • 黒いものが急に増えた
  • 光がピカピカ、稲妻のように見える
  • 視野の一部が欠けたように感じる

など、急な変化や強い症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、手術を受けた医療機関へ連絡してください。

眼科ナースのひとこと

白内障手術後に、

「見えるようになったはずなのに、なんだか今までと違う」

と感じると、不安になりますよね。

でも、私たちは長い間、白内障のある目で見てきています。

そのため、手術によって急に見え方が変わると、新しい見え方に戸惑うこともあります。

「こんなことを聞いてもいいのかな?」

と思わなくて大丈夫です。

見え方は、その人にしかわからないものです。

だからこそ、気になることがあれば、

「まぶしいです」

「片目だけ色が違います」

「黒いものが見えます」

と、そのまま伝えてください。

患者さんが感じている「見え方」を一緒に確認していくことも、私たち眼科スタッフの大切な仕事です。

まとめ

白内障手術後には、

  • 明るすぎる、まぶしい
  • 白や青が強く感じられる
  • 左右の目で色が違って見える
  • 飛蚊症に気づく
  • 思っていた見え方と違う

などの変化を感じることがあります。

すべての方に起こるわけではなく、感じ方や経過にも個人差があります。

「手術後だから、どんな症状も我慢しなければいけない」ということではありません。

気になる変化があれば、どんなふうに見えるのかを伝えてみてくださいね。

次回予告

白内障シリーズ 第10回

見える毎日をこれからも大切に

白内障シリーズ最終回。

これまで第1回から第9回までお話ししてきた、症状・手術・費用・レンズ選び・手術後の生活を振り返りながら、「見えること」について一緒に考えていきます。

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