8 《 白内障シリーズ 第8回 》
白内障手術後に気をつけること
手術が終わった!でも、いつから普通の生活に戻れるの?
白内障手術が無事に終わると、まずはホッとしますよね。
でも、そのあとに患者さんからよく聞かれるのが、
「今日から顔を洗っていいですか?」
「お風呂は?」
「仕事はいつから?」
「運動しても大丈夫?」
といった、手術後の生活についての質問です。
白内障手術は比較的短時間で終わることが多い手術ですが、手術が終わった直後から、すべて普段どおりに戻れるわけではありません。
今回は、白内障手術後の生活で気をつけたいことを、わかりやすく解説します。
※手術後の過ごし方は、目の状態や手術内容、医療機関によって異なります。この記事では一般的な考え方をご紹介します。実際には、手術を受けた医療機関からの指示を優先してください。
① 目をこすらない
手術後は、無意識に目を触ったり、こすったりしないように気をつけます。
「かゆいから少しくらいなら……」
と思ってしまうこともありますが、手術直後の目はまだデリケートな状態です。
特に寝ている間は、無意識に目を触ってしまうこともあります。
そのため、医療機関によっては、保護メガネや眼帯などを使用する場合もあります。
「目を守る」ことを少し意識して過ごしてみてください。
② 洗顔・洗髪はいつから?
これは本当によく聞かれる質問です。
手術後すぐは、目に水や石けん、シャンプーなどが入らないように注意が必要な期間があります。
ただし、
「手術後○日なら絶対に大丈夫」
と一律に決められるものではありません。
手術を受けた医療機関の指示に従ってください。
洗髪については、自分で洗うのを控える期間でも、美容室などで目に水が入らないように洗ってもらう方法を案内されることもあります。
「髪を洗えないのは困る」という方は、手術前に確認しておくと安心です。また、今は昔とは違い、髪の毛を洗えないときでも、ドライシャンプーがドラッグストアでも簡単に手に入ります。これは、入院中や災害時に入浴ができないときに、水やお湯を使わずに髪や頭皮の汚れを洗浄できるアイテムです。参考にしてみてください。
③ お風呂はどうする?
入浴についても、手術後しばらくは注意が必要です。
シャワーはいつから?
湯船につかるのはいつから?
このあたりも、医療機関によって指示が異なることがあります。
手術後は、
「体調がいいから、もう大丈夫だろう」
と自己判断せず、説明された期間を守ることが大切です。
④ 手術後の目薬は忘れずに
手術が終わったあとも、治療は続きます。
術後には、感染や炎症を抑えるためなどに、複数の目薬が処方されることがあります。
ここで患者さんが困りやすいのが、
「目薬が何種類もあって、どれをいつ使うのかわからなくなる」
ということ。また、一度に2種類以上の目薬を点眼するときは、必ず5分ほど時間をあけて点眼することをおすすめします。これは続けて点眼してしまうと先に点眼した目薬の効果が半減してしまうためです。
不安なときは、点眼表を使ったり、目薬を使う時間を決めたりすると管理しやすくなります。
わからなくなった場合は、そのままにせず、手術を受けた医療機関や薬剤師に確認してみてください。
⑤ 運動はいつからできる?
「散歩くらいならいい?」
「ジムは?」
「ゴルフは?」
「重いものを持つ仕事は?」
運動といっても、内容はさまざまです。
軽い活動と、激しく体を動かすスポーツでは、目への負担も異なります。
そのため、「運動は全部ダメ」「○日後なら全部OK」ではなく、何をしたいのかを具体的に伝えて確認するのがおすすめです。
特にスポーツを日常的にしている方は、手術前から復帰時期を医師に相談しておくと予定を立てやすくなります。
⑥ 仕事復帰はいつから?
仕事復帰のタイミングも、仕事内容によって変わります。
例えば、
- デスクワーク
- 車を運転する仕事
- 重いものを持つ仕事
- ほこりや水を扱う仕事
- 体を激しく動かす仕事
では、同じようには考えられません。
「仕事はいつからできますか?」だけではなく、「こんな仕事をしています」と、きちんと伝えることがとても大切です!!
手術前に仕事内容を伝えておくと、復帰の予定も立てやすくなります。
⑦ スマホやテレビは見てもいい?
「スマホを見たら目が悪くなる?」
「テレビはいつから?」
これも気になる方が多いと思います。
スマホやテレビを見ること自体については、目の状態や医療機関の指示を確認しながら、無理のない範囲で考えていきます。
ただ、手術後は見え方が変化していたり、目が疲れやすく感じたりすることもあります。
「見られるから長時間見続ける」のではなく、疲れたら休む。
そんなふうに、目の状態に合わせて過ごすことも大切です。
⑧ 「いつもと違う」と感じたら...
手術後は、
「これって普通なのかな?」
と迷うこともあると思います。
多少の違和感や見え方の変化を感じることもありますが、急な見え方の変化、強い痛み、症状の悪化など、気になる変化がある場合は、自己判断せず手術を受けた医療機関へ連絡してください。
「次の診察まで待っていいのかな?」
と迷ったときも、確認してみると安心です。
眼科ナースのひとこと
白内障手術が終わると、
「終わった!これで一安心!」
と思いますよね!!
もちろん、手術が無事に終わることは大きな一区切りです。
でも、手術後の目はまだまだ回復の途中です。
だからといって、ずっと何もせずに過ごさなければいけないわけではありません。
「何をしてはいけないか」だけでなく、「いつから、どんなふうに普段の生活へ戻っていくか」
を知っておくと、手術後の生活も少しイメージしやすくなると思います。
わからないことがあれば、遠慮せず医療機関に確認してください。
安心して普段の生活に戻れるようにお手伝いすることも、私たち眼科スタッフの大切な仕事です。
まとめ
白内障手術後は、
- 目をこすらない
- 目に水が入らないよう注意する
- 処方された目薬を続ける
- 運動や仕事復帰は内容に合わせて考える
- 気になる変化があれば確認する
といったことが大切です。
ただし、「いつから何をしていいのか」は、すべての人が同じではありません。
手術を受けた医療機関の指示を基本にしながら、少しずついつもの生活に戻っていきましょう。
手術後は何より、変化や違和感をそのままにしないことです。少しでも「おかしいな」「いつもと違う」と感じたら放置せずにすぐに病院に相談しましょう。あなた自身の”見える”を守るためにはあなた自身の気づきが大切です。
次回予告
白内障シリーズ 第9回
白内障手術後によくある見え方の変化
「手術をしたら、思っていた見え方と少し違う?」
「まぶしい」「明るすぎる」「色が違って見える」
そんな手術後の見え方について、眼科ナースの視点からわかりやすく解説します。

