4 《 白内障シリーズ 第4回 》
「白内障の手術って痛いんですか?」
これは、眼科外来で本当によく聞かれる質問です。
でも実際には、患者さんが一番不安に感じているのは「痛み」だけではありません。
- 「目を開けていられるか心配です。」
- 「手術中って見えているんですか?」
- 「どこを見ていればいいんですか?」
- 「メスが見えたら怖いです……。」
初めての手術なら、そう思うのは当然です。
今回は、眼科ナースとして患者さんからよくいただく質問にお答えしながら、白内障手術への不安を少しでも軽くできればと思います。
白内障手術は痛いの?

白内障手術では、多くの場合「点眼麻酔(目薬の麻酔)」を使用します。
他にも前房内麻酔や笑気麻酔が使われることがあります。
点眼麻酔・・・目薬をするだけの麻酔で、目の表面の痛みをなくします。
前房内麻酔・・目薬だけでは痛みが残る場合には目の中に直接麻酔液を少し入れて痛みを和らげます。
笑気麻酔・・・ガスを鼻から吸って、不安や恐怖感を減らしリラックスして手術が受けられます。ただし全員が受けられるとはかぎりません。取り扱いのある医療機関に相談しましょう。
テノン嚢下麻酔・・注射針を使って目の奥に麻酔を追加し、動かないようにしっかり効かせます。
どの麻酔の方法も強い痛みを感じることは少なく、「思っていたより大丈夫だった」と話される患者さんが多い印象です。
もちろん感じ方には個人差がありますが、もし痛みや違和感があれば、その場で医師へ伝えることができます。
一人で我慢する必要はありません。我慢することで血圧が上がり危険なため、痛みがある場合は医師に伝えて麻酔を追加してもらうことができます。

手術中は見えているの?

これも本当によく聞かれる質問です。
結論から言うと、
「光や明るさは感じても、普段のようにはっきり見えているわけではありません。」
手術中は目の中に保護剤(粘弾性物質)を入れたり、麻酔が効いていたりするため、見え方は普段とは違います。
「メスが見えたら怖い…」と心配される方もいますが、メスや針先などは見えません。明るい光やぼんやりとした影が見える程度ではっきり見ることはできません。
手術中はどこを見ればいいの?
先生から
「まっすぐ前を見てくださいね。」
と声をかけられることがほとんどです。
無理に何かを探して見る必要はありません。
リラックスして、先生やスタッフの声かけに合わせていただければ大丈夫です。
手術中は先生やスタッフが声をかけてくれます
「手術中は静かで緊張しそう…」
そう思われる方もいるかもしれません。
実際には、
「麻酔が少ししみますよ。」
「超音波の音がしますが心配いりませんよ。」
「これからレンズを入れますね。」
など、その都度、声をかけながら手術を進める施設も多くあります。
患者さんからも、
「何をしているのか教えてもらえて安心しました。」
という声をよく耳にします。
返事はしなくても大丈夫!
先生から声をかけられると、
「返事をしなきゃ!」
と思う方もいます。
でも、返事はしなくても大丈夫です。
手術中は顔や目が動いてしまうと危険なため、聞こえていれば十分です。
安心して、先生やスタッフの声を聞いていてください。
手術への不安は、決して珍しいことではありません。
そのため施設によっては、先生やスタッフがこまめに声をかけながら手術を進めたり、不安が強い方には笑気麻酔などを用いて、リラックスした状態で手術を受けられるよう工夫している場合もあります。
「手術が怖い」「緊張しやすい」という方は、事前の診察で、かかりつけの眼科に相談してみてください。
気づけば手術は終わっています。
手術前は緊張される方がほとんどですが、
手術後には、
「もう終わったんですか?」
「もっと怖いと思っていました。」
と笑顔で話してくださる患者さんも少なくありません。
初めての手術だからこそ、不安になるのは当たり前です。
でも、その不安を少しでも軽くできるよう、医師やスタッフも患者さんに寄り添いながらサポートしています。

患者さんは手術前は皆さん、とても緊張されていることが多いです。血圧を測れば、「いつもより高いい!!」「ドキドキしてなんだか怖いなぁ~」などの言葉をたくさん聞きます。不安そうな顔をしながら手術室に向かい、終わったあとにホッとした表情を見せてくださる患者さん。そして、そのあとの笑顔!!とても印象的です。
「思っていたよりもすごく早く終わった!」
「痛みはほとんどなかった!」
「この15分が緊張ですごく長く感じた!」
「とにかくあっという間だった!」
など、人それぞれ感じ方はありますが、皆さん共通していることは、手術後のほっとした笑顔です。その笑顔に私達も笑顔になります。白内障の手術は我慢する必要はありません。わからないことや不安なことは、一人で抱え込まずに相談してください。”見える”は当たり前ではありません。年齢とともに変化します。その変化に気づき、一歩踏み出すことは、これからの”見える”を守る大切な一歩となります。私たち眼科スタッフは、患者さんが安心して手術を受けられるよう精一杯お手伝いしています。
“見える”を一緒に守りましょう!!

白内障シリーズ 第5回
「白内障手術の流れをわかりやすく解説」
来院してから帰宅するまで、患者さん目線で一日の流れを眼科ナースしーさんたがわかりやすく解説します。これから、白内障の手術を考えている方たちの参考になれば幸いです。

